三岸アトリエ
2018年12月15日
その後のモダンデザインに大きな影響を与えたドイツの建築・美術学校、バウハウス。
そこへの留学経験を持つ数少ない日本人建築家(建築家としては2人だけなのだそうです)、
山脇巌によって設計された「三岸アトリエ」を見学させていただきました。
画家である三岸好太郎・節子夫妻のアトリエです。
完成した昭和9年(1934年)当時、
周囲には藁葺き屋根の民家が点在しているだけだったのだそうで、
そこに突如出現した世界最先端の「ガラスの箱」の衝撃はどれほどだっただろうと思いました。
ただ現在の姿は、この100年ぐらいの間に繰り返された改装によって、
すでにほとんど原形をとどめない感じになってしまっているようでした。
特に南側の大開口は、竣工当時の写真を見ると、
それこそバウハウスの校舎のように正方形に割付られた巨大なガラスの壁になっているのですが、
現在は普通のアルミサッシに変わってしまっていて、ちょっと哀しかった...。
それでも、
シンプルな直方体の空間と、それを切り裂く大開口、そしてその前を走る螺旋階段、等々が、
もともとの空間の香りのようなものをのこしていました。