『クリストファー・アレグザンダーの思考の軌跡』
2020年09月08日
長坂一郎『クリストファー・アレグザンダーの思考の軌跡』を読みました。
「二十世紀最大のデザイン研究家・建築家の試行錯誤の軌跡」を、良い先生に、噛んで含めるように、順を追って説明してもらったような気分でした。
コンパクトな体裁ですが、大変な労作で、素晴らしい本だと思いました。
「美しいもの」とは何か、それはどのようにデザインされ得るのか。
そんなある意味シンプルな問いから出発しながら、その思考を徹底するあまり、最終的には、私たちの世界観そのものが間違っているのだと、「現代社会を敵に回し、勝ち目が見えない闘いを挑んでいく」...。
そして、そのような闘いの中でも、いわば最終決戦とでも言うべき最終最大の「バトル」が、なんとここ日本を舞台に繰り広げられる...。
こんな風に書くと、なにか冒険小説みたいですが、ともかくとても楽しく勉強させていただきました。
なんとなく色々と分かったような気分にさせてもらいましたので、また改めてアレグザンダーの著作を読み返してみようと思いました。